山しかない田舎暮らし

山しかない田舎の暮らしをありのままに・・・

バタンキョって何?

バタンキョ(巴旦杏)

庭のバタンキョ(巴旦杏)です。

バタンキョは日本スモモのことで、プラムとも言います。

(西洋スモモはプルーン)

 

だったら、「スモモ」とか「プラム」と言えば良いのですが、私の地元ではバタンキョと言います。

スモモを方言でバタンキョというのですが、「東北地方でバタンキョ、バタンキョウ」、「関西地方でハランキョ、ハランキョウ」と呼ぶことが多いようです。

バタンキョは水分が多く栄養素が少なく感じられますが、葉酸と食物繊維が豊富です。

 

妊婦さんと赤ちゃんに重要な葉酸

これは、ゼンマイの記事でも投稿しましたが、妊娠初期に葉酸欠乏症になると、胎児の神経系の発達に異常をきたす可能性があります。

妊娠初期は妊娠していることに気付きにくく、葉酸不足になりやすくなります。

また、葉酸は赤血球のもとになる赤芽球の生成に関わるため、貧血予防に必要な成分でもあります。

 

食物繊維で腸内環境改善

バタンキョは食物繊維が豊富な果物で、可食部100g中に水溶性食物繊維が0.4g、不溶性食物繊維が1.2g含まれています。

食物繊維は消化酵素では分解されにくく、消化管内の微生物で分解されます。

(消化されないと言われていましたが、若干は消化されカロリーになると考えられている)

なので、腸内環境を整えることに必要な成分です。

 

水溶性食物繊維の働き

・血糖値上昇の抑制

・血中コレステロールの低下

・便秘予防、解消

・高血圧の予防

 

不溶性食物繊維の働き

・便秘予防、解消

・大腸がんの予防

 

以上のように良いことが多くありますが、ソルビトールも含まれているので、過剰摂取になると下痢になる可能性があります。一日の摂取上限を5個くらいにした方が良いです。

 

 

また、バタンキョは和歌や古事記にも出てくる古来の食物です。

古事記イザナギイザナミの追手から逃げる際に出てきた桃は、バタンキョなのではないかと勝手に考察しております。

 

ザックリ黄泉の国話

自分が生んだ火の神が原因で死?に黄泉の国に行ってしまったイザナミ・・・

そのイザナミを愛していた夫・イザナギは黄泉の国にイザナミを迎えにいきます。

イザナミに再会を果たしたイザナギは、「まだ国作りが終わっていないので黄泉の国から帰ろうよ」と懇願します。

イザナミイザナギに、「私は黄泉の国の食物を食べてしまったので帰れません。」と言いましたが、イザナギが懇願するので「では黄泉の神に頼んで来ますので私が戻るまでこちらでお待ちください。」と席を外してしまいます。

イザナギは待ちましたが、なかなか戻らないイザナミを心配になり、イザナミの様子を見に行ってしまいます。

そこで見たイザナミは昔のイザナミとは別人のように醜い姿になっていました。

それに驚いたイザナギは黄泉の国から走って逃げることにしました。

が、醜い姿を見られたイザナミイザナギを捕まえるために追手を差し向けます。

追手のヨモツシコメから逃げるイザナギ

ヨモツシコメに追いつかれそうになった時に葡萄を投げて、ヨモツシコメが葡萄を食べているうちに逃げますが、すぐに追いつかれます。

そこで今度は筍を投げて、筍を食べているうちに逃げます。

しかし、ヨモツシコメは一飛びで4,000キロを走ることのできる俊足の持ちぬし。

また追いつかれそうになるイザナギは桃を3個投げました。

するとヨモツシコメは何故か引き返していきます。

最後はイザナミに追われますが、なんとか黄泉の国から脱することが出来た・・・

というお話です。

 

ここに出てくる「3個の桃」ですが、この時代に白桃のような桃があったと考えにくく、バタンキョだったのでないかと考えられます。

桃は中国から入ってきたもので、不老長寿を司る女神である西王母が、桃園を管理していたことから、桃には不老長寿の力があると言われておりました。

 

もちろんバタンキョに不老長寿の力はありませんが、そんなことを考えながらバタンキョを食べると、いつも違う味わいになるかもしれません。