ゼンマイは天日干しでスペシャル食材に
先日収穫してきたゼンマイは天日干しで、乾燥させて保存食にします。
天日干しゼンマイの作り方
① ゴミをとる
先端についている綿毛や、その他のゴミを取り除きます。
ゴミを取り除く際は霧吹きで水を吹きかける感じで、ゼンマイに軽く濡らすとゴミ取り除きやすくなります。
② 茹でる
沸騰したお湯に入れ、茎が柔らかくなるまで茹でます。
ゼンマイの太さや火の強さによって茹で時間がかわりますが、約3分~5分茹でるといい感じになります。
③ 天日干しする
茹で上がったゼンマイをゴザに並べます。日光が当たるように広く干します。
朝になったら日のあたる場所に干して、夕方になったら家の中に片付けます。
また、雨に濡れないように雨の日は家の中に入れます。
ちなみに、私の住む地域ではゼンマイを干したゴザで収穫量を表現します。
下の写真はゴザ2枚分のゼンマイなので「2枚分収穫してきた。」と言います。
いっぱいと収穫したと見せたい見栄っ張りさんは、出来るだけ広く干してゴザ2枚をゴザ3枚に、ゴザ3枚をゴザ4.5枚に、といったように1.5倍増しで干す技を使います。母もこの技を使います。
④ 揉む
天日に干したら揉みます。揉むというより転がすに近いかもしれません。1日4~5回ほど揉みます。揉むことで無駄なく乾燥し、ゼンマイの葉の部分が落ちます。なお、落ちた葉っぱはゴミですので捨ててください。
日差しにもよりますが、3日~4日ほどこの工程をおこなうと天日干しゼンマイが完成します。
今回はゼンマイを20kg収穫してきましたが、干した後の重量は1kgになっていました。
乾燥ゼンマイは高価なものですが、これだけ手間を掛けていれば高価になるのも頷けます。
乾燥ゼンマイは乾燥させないゼンマイに比べると栄養価が高くなります。
特にパントテン酸(ビタミンB5)や鉄分、葉酸、亜鉛、カリウム、食物繊維の含有量が多く優秀な食材になります。
そんなゼンマイは現代社会にピッタリな食材です。
ストレス社会にピッタリ
ゼンマイに多く含まれるパントテン酸はコレステロール低下作用やHDLコレステロール(善玉コレステロール)増加作用、血小板数改善作用、腸管蠕動促進作用など様々な作用を持っています。また、抗ストレスホルモンの合成にも作用するため、ストレスや免疫の防御機能を高める作用があるとされており、ストレス社会の現代にピッタリな食材と言えます。
また、アルコール類やカフェインを多く摂取するとパントテン酸が消費します。
酒の肴にゼンマイの煮物やナムルを食べてパントテン酸を多く摂取しましょう。
生活習慣病の改善に
パントテン酸にはコレステロール低下作用やHDLコレステロール(善玉コレステロール)増加作用、がありコレステロール値の正常化にも適しています。
また、カリウムも多く含まれているので余分な塩分を排泄してくれる作用もあります。
脂質や塩分の過剰摂取を止めることが大事ですが、脂質や塩分を我慢できない場合もあります。
であれば、「焼き肉にいったらゼンマイナムルも食べよう。」と心掛けてみてください。
妊婦さんにもピッタリ
ゼンマイには鉄分と葉酸が多く含まれているため、妊婦さんと胎児ちゃんに必要な成分も補えます。
また、妊婦さんは便秘になりやすくなります。
前述したとおり、ゼンマイに含まれるパントテン酸には腸管蠕動促進作用があり、食物繊維も多くふくまれているため、便秘の改善にもピッタリな食材となります。
逆に妊婦さんが摂取しない方が良い、ヨウ素やヒ素はほとんど含まれていません。
ビタミンAも妊婦さんが摂取しない方がよい成分になり、ゼンマイにもビタミンAは含まれています。
ただ、妊婦さんが一日に摂取可能なビタミンAの4分の1程度の含有量であり、また余分なビタミンAの吸収を阻害するβカロテンも含まれているので、「一日三食ゼンマイばかり食べた」にならなければ過剰摂取にはなりません。
パントテン酸や鉄分、葉酸を多く含む食材には、ヨウ素、ビタミンA、ヒ素も多く含まれています。ヨウ素、ヒ素がほとんど含まれず、パントテン酸や鉄分、葉酸を多く含まれているゼンマイは優秀な食材になります。
保存食として優秀
干したゼンマイは1年程度の賞味期限とされる場合が多いですが、我が家では2年前の干しゼンマイも平気で食べます。
ただ、乾燥状態を維持しなければならないので冷蔵庫にいれるか、乾燥材を入れた密閉容器にしまう必要があり、乾燥状態を維持できない場合はカビが発生し、虫が付く可能性もあります。
母は「虫がついても、もう一度干せば大丈夫!今晩のおかずにする。」と言っていましたが、一度虫の付いたゼンマイは食べたくないので全力で阻止しています。
作るのが面倒ですがゼンマイにも良いところはたくさんありますので是非、食べてみてください。
ゼンマイの良いところ
① ストレス社会にピッタリ → パントテン酸
③ 妊婦さんにもピッタリ → 葉酸、鉄分、食物繊維
④ 保存食として優秀