山しかない田舎暮らし

山しかない田舎の暮らしをありのままに・・・

山を購入した理由

昨今のキャンプブームにより山の購入を考える方が増え、実際に購入された方もいるようです

 

私の場合は曾祖父が購入し、父が買い広げた山を相続することになります。

曾祖父が購入した山の経緯は分かりませんが、父が山を買い広げた理由は教えてもらっています。

また、買い広げる際に大変だったことも聞いています。

今後、「これから山を購入したい方」に向けてのリアルな情報を発信したいと思います。

 

まず、曾祖父は農業をするために山を購入したようで、田んぼや畑を作っていました。

ただ、農業は祖父の代で辞めており、現在は田んぼの一部を池にして食用鯉を飼育しています。

その池を作る際に大変だったことがあります。

「池の水をどこから引いてくるか」です。

もともと田んぼに使っていた用水路を利用し、水を引くつもりでしたが長年の堆積により用水路は埋まり、工事が必要になっていました。

工事をするのであれば、用水路が敷かれている土地の所有者にも許可を取る必要があります。

そこで、土地の所有者を探したのですが、以下の図のように土地の所有者は複数人いらっしゃることが分かりました。



図では7名の所有者となっていますが実際は16名の所有者がおり、この16名全員に許可をいただくことになり、そこで問題が発生しました。

許可をいただく必要のある土地の所有者が移転し地元にいなかったり、お亡くなりになられ相続されており現在の所有者が不明だったりと、人探しが本当に大変で挫折しかけたようです。

 

この16名の土地は約10m間隔で各人が所有しておりました。

このように狭い間隔で土地を所有している理由は、用水が生活用水の源流だからです。

この土地の周辺は交通の便が比較的よく、ゴルフ場やレジャー施設建設の話がありました。

生活用水の源流域にゴルフ場やレジャー施設が建設されれば、下流の村に安定した水量が供給されず、生活に支障がでます。

狭い間隔で複数人が土地を所有することにより、土地の一括購入が困難になります。

土地が一括購入されなければ、ゴルフ場やレジャー施設の建設が難しくなります。

それにより、生活用水が守られるわけです。

実際、バブル時にゴルフ場の建設予定がありましたが、父と複数人の土地所有者が土地を売らなかったことにより、ゴルフ場の建設は無くなりました。

(ただ、隣町の山にゴルフ場が出来ました。現在は倒産し廃業しております。)

 

あれから35年が経過し、今では土地の所有者が誰なのかも分からない状況になったのです。

父は打開策として、地元で林業を営んでいる方にコンタクトをとり、現在の土地の所有者を探してもらいました。

地元で林業を営んでいる方のご協力により、所有者の全員を見つけることができ、

土地の所有者も土地の管理に困っていたので、一括購入することが出来ました。

 

土地の購入金額は手数料込みで300万円程度だったようです。

少し高い買い物になりましたが念願の水路の確保ができ、池を作ることが出来たのです。

もちろん、源流からの取水は最小限にとどめ、下流の村に迷惑が掛からないようにしています。

 

 

これから山を購入される方は、見切り購入は絶対やめた方が良いです。

山を購入する目的を明確にし、目的を達成するための障害を解決してから購入することをおすすめします。

一人で解決できないことが多いので、プロに依頼するか協力者を探して解決に向けて行動してみてください。

 

その他にも、災害時の損害賠償や地目変更等の注意点があるので今後、アップしたいと思います。