山しかない田舎暮らし

山しかない田舎の暮らしをありのままに・・・

ゼンマイ採りにもコツはある

熊に遭遇した翌日、ゼンマイ採りに行ってきました。

場所は前日熊に遭遇した沢の隣の沢・・・同じ山なので熊はいるのですが気にしてもいられないし、「ゼンマイ採れ!」と山人の血が騒ぐ・・・

前日のように一人だと怖いので小学校5年生の息子を連れていきます。

2人だと適度に会話や、大きな声で所在確認をするので熊よけにピッタリです。

まずは目的地に向かって30分ほど沢を登っていきます。

息子が一緒だったので、危険な場所は迂回しながら登っていくので少し時間が掛かりましたが山の歩き方を説明しながら進んだのでアッという間に目的地に到着しました。

 

白色?茶色の綿毛を被っているものがゼンマイ

写真のとおり、斜面にゼンマイが自生しています。

斜面は北側向きの斜面で腐葉土が堆積したようなところに自生し、雪の解けた場所から育つので斜面の上から育ちます。

斜面の上の部分は他の方が収穫しており、1週間前に他の方が収穫したのでないかなと

予想できます。

今回の収量は約20kgでしたが、サイズが良く良質なゼンマイだったので満足しています。

 

シーズンも終わりに近づいていますが地域によってはゼンマイや山菜を収穫することも

できます。

収穫に行く際に注意して欲しい注意点が大きく分けて三つあります。

① 安全を確保するための注意点

② 収量を上げるための注意点

③ 収穫ライバルに勝つために

 

各注意点を守るためのポイントがあるので解説していきます。

① 安全を確保するための注意点

・家族や知人にどこにいくか伝える

 遭難した時に重要な情報になります。

 自宅に帰ってこず、捜索願を出された場合に捜索範囲が特定できることは

 遭難者を発見するにあたり重要なポイントです。

 家族や知人にどこに行くか伝えてから山に入ってください。

 

・服装は安全を考慮する

 ケガをしないための服装は大切です。スパイク地下足袋や皮手袋 等の

 山菜採りに適した服や熊よけの鈴を着装してください。

 

・小股で足を少し高く上げて歩く

 大股であるくとバランスを崩した時に踏ん張りが効かずに転倒します。

 また、足をするように歩くと石や木の根につまずき転倒するので足を少し

 高く上げて歩くようにしましょう。

 

・斜面の下から目標のゼンマイを見つけてから登り始める

 目標もなく斜面を登り始まると、体力を無駄に消費します。

 帰りの体力を残すためにも無駄は無くしましょう。

 

・斜面を登る時は、三点保持を意識して登る

 四肢のうちの3つは自身の態勢を保持するために利用してください。

 例えば、両足を地面につけていても不安定なので片方の手は枝を掴み、

 自身の態勢を3点で保持します。枝を掴んでいない方の手でゼンマイを収穫する

 ようにしてください。

 

・危険な場所の山菜は収穫しない

 三点保持が出来ない場所での収穫は非常に危険です。

 危険な場所は誰も収穫しないので、良質な山菜が生えていることがあります。

 良質な山菜に目がくらみ、危険な場所に収穫にむかうと転倒や滑落により

 大けがをします。私の母が10メートルほど滑落し骨折しましたが、これが原因です。

 良質な山菜が生えている場合でも、グッと堪えて山菜を諦めてください。

 

・同行者は斜面を登っている方の下に居てはならない

 落石や滑落に巻き込まれます。複数人で山に行くときは自身の命を守ることは

 当然ですが、何かあったら救助者になる必要もあることも考慮し安全を確保して

 ください。

 

・疲れる前に帰る

 帰りにケガをすることがほとんどです。収穫した山菜が重く、また疲れで

 足上りが悪くなり転倒し、滑落する場合もあります。

 帰りに体力を考慮し、帰路についてください。

 

・非常食と飲料は残しておく

 非常食と飲料は残して自宅に到着してください。持って行った食料をすべて

 食してしまうと、遭難した時に食べるものがなくなります。

 私の住む地域では、「握り飯を一個持って帰って一人前」と言われるほど重要視

 されることです

 

 

② 収量を上げるための注意点

・雌ゼンマイを収穫する

 これは収量を上げるというより、美味しいゼンマイを収穫するためのポイントです。

 ゼンマイには雄と雌があります。

 雄ゼンマイは渦巻部分が硬い葉でできており、指で押すとガチっと硬いです。

 雌ゼンマイは渦巻部分が柔らかい葉でできているので、指で押すとフニャっと

 しています。

 雄ゼンマイも食べることは可能ですが、茎が硬いので食用に適していません。

 対して雌ゼンマイは柔らかいので食用に適しています。

 雄ゼンマイを収穫する地方もあるようですが、私の地域で雄ゼンマイを収穫すると

 「こんなものを採ってきて・・・」と怒られます。

 食用にするのであれば、雌ゼンマイを収穫しましょう。

※左が雌ゼンマイで食用に適しています。

 右が雄ゼンマイで食用に適しません。

 

・一つの株に対し、雌ゼンマイと雄ゼンマイを1本ずつ残す。

 これは次の年の収量を確保するためのポイントです。

 雌ゼンマイと雄ゼンマイを一本ずつ残すことで繁殖します。

 毎年、安定した収量を確保し生態系を保護するためにも重要なポイントですので

 必ず守ってください。

 (これが出来ていると「プロ」扱いされます。)

 

・斜面上のゼンマイに到着したら下を一度見直す

 斜面の下から見ている景色と斜面の上で見る景色は違います。

 斜面の下で見えなかったゼンマイも斜面の上から見えることもあります。

 目的地までたどり着いたら、一度見直すことをおすすめします。

 

・先端から20cm前後のところから収穫する

 ゼンマイも長いものは40cmほどに成長するものもあります。

 長いゼンマイを見ると、ついつい長く収穫したくなりますが、茎の下の方は

 硬くなり食用に適しません。

 収穫した後の処理で捨てる部分をバッグに入れて持ち帰ると無駄な荷物に

 なります。

 無駄なものを収穫しなければバッグに余裕ができて、食べれる部分を多く収穫

できます。

 

・葉が開いたゼンマイは収穫しない

 これも上記と同じ理由です。葉が開いたゼンマイは硬くなり食用に適せず

 捨てることになります。

 また、生態系の保護のためにも収穫しないでください。

 

③ 収穫ライバルに勝つために

・朝早く行動する

 自然のものですので早いもの勝ちです。朝早く収穫にいけば早く収穫できます。

 

・信用できる人以外に収穫ポイントを教えない

 山菜は限られた場所に自生します。

 収穫ポイントが知られると、他の方に収穫されてしまうので信頼できる方以外には

 教えないようにしましょう。

 私の地元ではゼンマイの太さや色、現地にあった長靴の足跡で誰がどこの山に

 入ったかバレてしまいます。

 今回もご近所様からどこの山に入ったかの聴取が激しく、その聴取は小学校5年生

 の息子にもおよび、必死で誤魔化していました。

 

 

まとめ

① 安全を確保するための注意点

・家族や知人にどこにいくか伝える

・服装は安全を考慮する

・小股で足を少し高く上げて歩く

・斜面の下から目標のゼンマイを見つけてから登り始める

・斜面を登る時は、三点保持を意識して登る

・危険な場所の山菜は収穫しない

・同行者は斜面を登っている方の下に居てはならない

・疲れる前に帰る

・非常食と飲料は残しておく

 

② 収量を上げるための注意点

・雌ゼンマイを収穫する

・一つの株に対し、雌ゼンマイと雄ゼンマイを1本ずつ残す

・斜面上のゼンマイに到着したら下を一度見直す

・先端から20cm前後のところから収穫する

・葉が開いたゼンマイは収穫しない

 

③ 収穫ライバルに勝つために

・朝早く行動する

・信用できる人以外に収穫ポイントを教えない

 

山からの恵みである山菜は栄養価にも優れているものも多く、また季節を感じる

ことのできる貴重なものです。

安全に生態系を保護しながら収穫を楽しんでください。